2013.03.16

【WBC】
元日本人メジャーリーガーたちが語る「AT&Tパークの落とし穴」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

2次ラウンドを3戦全勝で飾った侍ジャパン 2次ラウンドを3戦全勝で飾り、A組1位でアメリカ行きを決めた日本。初戦の台湾戦こそ延長10回、4時間37分の死闘を繰り広げたが、続くオランダ戦は6本塁打を含む17安打、16得点で7回コールド勝ち。再戦となった12日のオランダ戦も阿部慎之助の1イニング2本塁打などもあり、9安打10得点。2試合連続の快勝で3連覇の期待が高まっている。しかし、侍ジャパンに死角はないのだろうか。

 準決勝、決勝の舞台は、サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地、AT&Tパーク。かつてこの球場で登板した経験を持つ現評論家の吉井理人氏は次のように語る。

「僕が投げていた当時は、バリー・ボンズがライト場外に何発も放っていたこともあって、打者有利の球場と思われがちなんですが、僕のイメージではあまり打球が飛ばない印象があります。おそらく海からの風で押し戻されるんでしょうね。だから、投げていてもホームランを意識することはあまりなかったです。言い換えれば、東京ドームの時と同じバッティングをしても、オーバーフェンスは厳しい。どう得点していくのかを、再度、確認すべきだと思います」

 吉井氏の言う通り、AT&Tパークはホームランの出にくい球場として有名だ。今回のWBCで打者天国の東京ドームでしかホームランを放っていない日本が、この球場で大量点を挙げるとは思えない。そうなると山本浩二監督が当初から掲げている「足を使って、守り切る野球」、つまり"スモール・ベースボール"をどこまで実践できるかが重要になる。

 だがAT&Tパークは、日本が1次ラウンドから慣れ親しんだ人工芝ではなく天然芝だ。当然、守備の不安も考慮しなければならない。再び吉井氏の言葉だ。

「天然芝の球場は、芝の部分が柔らかく、土の部分が硬い。芝が硬く、土が柔らかい日本の球場とはまったく逆の造りになっています。そこに関しては、戸惑うかもしれません。とにかく天然芝は打球が弱くなるので、待って捕球していたら間に合わない。それに打球が弱まる分、捕球してからのスピード、肩の強さが求められる。打つことも大事ですが、アメリカラウンドは守備力が試合を左右すると思います」