2013.02.28

【WBC】元阪神・矢野燿大が語る「4番・キャッチャー阿部の危険性」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

強化試合、壮行試合で結果が出ていない阿部慎之助 WBC1次ラウンド初戦のブラジル戦まであと2日と迫ったが、日本代表の調子が一向に上がってこない。2月23、24日のオーストラリア戦に連勝したものの、先発候補の田中将大、前田健太が揃って結果を残せず、26日に行なわれた阪神戦は打線が散発3安打、無得点と沈黙。なかでも深刻な状況に陥っているのが「4番・捕手」、そして「キャプテン」も務める阿部慎之助だ。

 広島戦、オーストラリア戦、阪神戦の計4試合で12打数1安打と不振を極め、守りでもマスクを被った試合すべてで失点を喫するなど、攻守に精彩を欠いている。山本浩二監督が「このチームは阿部のチーム。4番を代えるつもりはない」と全幅の信頼を寄せているが、このまますべてを阿部に背負わせていいのだろうか。特に、未知の相手と戦う国際大会において、捕手というポジションの重責は計り知れない。2008年に阿部とともに北京五輪に参加した元阪神の矢野燿大氏は次のように語る。

「国際大会は1点の重みが違う。それだけに捕手はシーズンの時以上に重要なポジションになってきます。相手打者の得意なコース、苦手なコースを調べることはもちろんですが、初球から振って来るのか、来ないのか。外国人はファーストストライクから積極的に振ってくる打者が多いのですが、なかには見てくる打者もいます。そういう打者には初球からコーナーギリギリを狙う必要はない。とにかく、ちょっとしたことでも特徴や傾向があれば、頭の中に入れておかなければなりません」

 当然、相手チームの分析は必要なことだが、それぞれのチームから選ばれた選手が集まる日本代表では、それ以上に大事なことがあると言う。

「キャッチャーの立場で言わせてもらうと、相手チームのことよりまず自分たちのチームの投手陣のことをどれだけ理解できるかが重要なんです。どんな球を投げて、どのボールが得意なのかは知っていても、性格や考え方まではわからない。それが配球やリードにも大きく影響してくるんです」