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【WBC】侍戦士28名決定。
山本監督はこのメンバーでどう戦い抜くのか?

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

本大会まであとわずか。山本監督はどんな采配でチームを牽引するのか?本大会まであとわずか。山本監督はどんな采配でチームを牽引するのか?昨年のセ・パ盗塁王の大島洋平、聖澤諒のふたりも代表入りを果たすことはできなかった昨年のセ・パ盗塁王の大島洋平、聖澤諒のふたりも代表入りを果たすことはできなかった 2月20日に行なわれた侍ジャパンの紅白戦――代表生き残りをかけた最後の実戦機会のマウンドに、紅組の3番手として予定されていた浅尾拓也の姿はなかった。しかし、ウグイス嬢は彼の名を告げた。 

「ピッチャー、大隣に代わりまして浅尾」

 どう目をこらしてみても、マウンドに立っているのは浅尾と同僚の山井大介だ。単なる連絡ミスではあろうが、この混乱ぶりは山本浩二監督、東尾修投手総合コーチ、与田剛投手コーチらにとって守護神候補の「右肩の不安」がいかに誤算であり、登板を回避させたことがいかに苦渋の決断だったかを物語るシーンといえた。

 6日間の合宿中、わずか1度しかブルペンに入ることができず、代表落ちした浅尾は、力なくこう語って宮崎を後にした。

「投げる予定だったけど、昨日の夜に『心配だからやめとけ』と監督、コーチに言われました。自分のことを思ってくれていることは伝わってきましたが......めちゃくちゃ悔しい」

 代表候補33人から5人が外れ、第3回WBCに臨む侍戦士28人が決定した。投手陣で外れたのはその浅尾と、山井。山井は17日の広島との強化試合で2失点、浅尾の代わりに登板し、追試となった紅白戦でも1失点。WBC球への対応に、誰よりも苦しんでいた。

 首脳陣にとっては、投手陣13人を"選出した"というよりは、この13人しか"残っていなかった"というのが本音かもしれない。「まずは守りから」という山本監督が抱える最大の不安要素、それが投手陣の調整遅れだ。

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