【プロ野球】日本ハムの強さの秘密。
常勝の礎を築いた「7パーセント」のこだわり

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

戦線離脱した田中賢介の穴を見事に埋めた、入団2年目の西川遥輝戦線離脱した田中賢介の穴を見事に埋めた、入団2年目の西川遥輝 ファイターズのGM、山田正雄は今シーズンの終盤、他球団のある関係者にこんなふうに訊ねられたのだという。

「あのセカンドを守っている西川って、どこの選手でしたか」

「西川? あれは智弁和歌山だよ」

「智弁......和歌山? えっ、智弁の西川? 彼はたしか、外野手でしたよね」

 ここで山田がほくそ笑んだかどうかは定かでないが、内心、ニンマリしていたことだけは間違いない。

 西川遥輝、20歳。

 智弁和歌山からドラフト2位でファイターズに入団したプロ2年目の西川は、走攻守、三拍子揃ったセンス溢れるプレイヤーとして高校1年から3年連続で夏の甲子園に出場。早くから全国的のその名を知られたプレイヤーだった。しかしながら2年の春からは外野を守っていたため、西川は外野手だというイメージが強く、プロで内野手として登録されたことに驚きの声は少なくなかった。しかし西川は、1年の春にはショート、夏にはサードを守っていたのだ。山田GMがこう話していた。

「西川は高校では外野を守っていたけど、たまたま練習中に彼が内野のノックを受けていたのを見てね。そうしたらグラブ捌きとか足の運びが抜群なわけ。これは内野手でいけるなと思って、内野手として指名したんだよ」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る