【プロ野球】短期決戦で冴える谷繁元信のリードは、巨人打線を封じ込めるか?

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

CSファーストステージのヤクルト戦でも3試合で3失点に抑えた谷繁元信CSファーストステージのヤクルト戦でも3試合で3失点に抑えた谷繁元信 苦しんだ末にクライマックス・シリーズ(CS)ファーストシリーズを勝ち上がり、セ・リーグ覇者のジャイアンツに挑むことになったドラゴンズ。その中で、谷繁元信のバットが注目を集めている。

 一昨年のマリーンズとの日本シリーズの途中から今年のCSファーストステージ終了まで、なんと57打席連続してヒットが出ていないのだ。レギュラー野手が15試合もヒットを打てないなどペナントレース中でもめったにあることではない。

 CS開幕の少し前、谷繁から話を聞く機会があったので、昨年のCS、日本シリーズでの打撃不振について聞いてみた。

「去年はへばっていましたね」

 苦笑いしながらそう答えた。投手のリードに気を配るあまり、精神的にも肉体的にも消耗して、打撃どころではなかったらしい。

「ヒットが出ないことはそんなに気にしていませんでした。そのうち出るだろうぐらいに考えていました」

 メディアは谷繁に1本出ていればと厳しい見方をしたが、本人はそれほど深刻には思っていなかったようだ。

 ポストシーズンでの不調は今年も続いている。さすがに再三のチャンスで打てなかったスワローズとの第2戦のあとは、「僕が打っていれば展開は変わっていた」と反省の言葉を口にしていたが、昨年の落合博満監督同様、高木守道監督もヒットの出ない谷繁に代打を送ることはなかった。ドラゴンズにとって谷繁がいかに欠かせない存在であるかがわかる。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る