2012.10.17

【プロ野球】チームの命運を握る「4番・中田翔」の気になるデータ

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

今シーズン、全試合で4番を任され、リーグ2位の24本塁打を放った中田翔 パ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ第3戦。ソフトバンクのペーニャが4回表に一死一、二塁から放った痛烈なライナーは、西武のレフト・熊代聖人が差し出したグラブのわずか30センチ先を超え、ふたりのランナーを迎え入れた。CSに入り沈黙を続けてきた4番の先制二塁打で、ソフトバンクが試合の主導権を握った。

 一方の西武もその裏、4番・中村剛也が追撃の一発。さらに2点を追う8回にも、走者ふたりを置いてセンター後方へ大飛球を放った。しかし、これは守備固めに入っていた城所龍磨の好捕により、同点の好機を逸した。まさにチーム4番の打球の行方が、そのままチーム明暗を分けた。レギュラーシーズンよりも1点の重みが増す短期決戦。あらためて4番の重責を感じさせる戦いだった。

 CSファーストステージを勝ち上がったソフトバンクを迎え撃つのは日本ハム。その4番に座るのが中田翔だ。今シーズン、全試合(144試合)で4番を務めたのは李大浩(オリックス)と中田のふたりだけ。栗山英樹新監督のもと、日本ハム打線の新たな顔となった。

 だが、シーズン序盤は苦しんだ。5月終了時点で打率.169、9本塁打、33打点。7月終了時点でも打率.207、11本塁打、41打点。だが、8月以降は打率.291、13本塁打、36打点の結果を残し、最終的には打率.239、24本塁打、77打点まで成績を上げた。

「4番打者の条件は長打力じゃなくて、打ってほしいとみんなが思っている時に打てるバッター」

 これはかつて王貞治が語った”4番論”だが、栗山監督が「数字以上の存在を示してくれた」と言うように、シーズンが進むにつれて中田は4番らしさを身につけた。パ・リーグの優勝が決まった直後の札幌ドーム。グラウンドで行なわれた会見で中田は、「自分でもいいところで打てたと思います」と自画自賛し場内を大いに沸かせたが、その笑顔を再び見ることはできるのだろうか。