【プロ野球】独走Vのジャイアンツ。クライマックス・シリーズに不安はあるか? (2ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

「今年のジャイアンツは、90年ほどじゃないが、それでもだいぶ間が空いてしまう。もちろん、黒潮リーグなど実戦を取り入れて、感覚を鈍らせないようにはするだろうが、緊張感を持続させるのは難しいからね」

 カレンダーこそがジャイアンツの最大の敵というわけだ。

 また、戦力的には文句をつけようがないほど充実しているが、強いて不安な点をあげれば打線、それも5番だというのが槙原氏の見解だ。

「坂本勇人、阿部慎之助の3、4番は状態がいい。それだけに、勝負をしてもらえない可能性がある。そうなると5番がどれだけ打てるかが問題。村田修一か高橋由伸が入るだろうが、どちらも終盤は少し調子が落ちているのが心配ですね」

 短期決戦にはシリーズ男、逆シリーズ男がしばしば現れる。チャンスで打てない5番が逆シリーズ男になる危険がないわけではない。強力打線のイメージがあるジャイアンツだが、得点は他を圧しているというわけではない。

「イメージほど点が取れなかったのは5番、6番あたりでなかなか打点が上がらなかったのと関係があると思います。このあたりが打っていれば、もっと楽に勝てた試合も多かったはず。そう考えるとCSでも5番の役割は大きいですね」

 投手陣は内海哲也、杉内俊哉、ホールトンの先発3人は安定しているし、山口鉄也、西村健太朗のリリーフ陣も好調だ。

「CSは4人の先発で回すでしょう。4番目は宮国椋丞が有力かな。終盤の出来を買えば、小山雄輝があるかもしれない。他の3人に比べると、実績も安定感も落ちるが、逆にいえば、早い回から思い切ってリリーフを送ることもできる。今年は福田聡志のように長い回を任せられるリリーフがいるし、投手陣はあんまり心配が要らない」

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