2012.06.01

【プロ野球】楽天・釜田佳直、投手人生のきっかけは斎藤佑樹

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Nikkan sports

先発2戦目にしてプロ初勝利を挙げた釜田佳直 最後のバッター森岡良介がセカンドゴロに倒れると、楽天の三塁側ベンチに笑顔の列が続いた。小山伸一郎、ハウザーから祝福の握手を受け、ベンチ前では抑えの青山浩二からウイニングボールを手渡された。5月27日、神宮球場で行われたヤクルト戦で釜田佳直が高卒ルーキーでは今シーズン一番乗りとなる白星を挙げ、プロ初勝利を飾った。

 この試合、釜田はプロ初登板となった20日の阪神戦(甲子園)の時と違うグラブの色でマウンドに上がった。前回は楽天の背番号21の先輩である岩隈久志を思い出させるブルーのグラブだったが、この日はイエロー。実はこれ、金沢高校のエースとして昨年の甲子園で活躍していた時と同じもので、憧れの田中将大と同じ色でもある。

 試合では高卒ルーキーらしからぬ投球で再び田中を思い出させた。この試合はストレートが高めに浮き、変化球の制球にも苦しんだ。明らかに前回の阪神戦より内容は悪かったが、「(調子が)悪いときにどれだけ抑えられるかが、その投手の評価」と田中がアマチュア時代から口癖のように言い続けてきた言葉を思い出し、勝負どころで粘った。

 2回、味方のミスから招いた一死満塁のピンチで、8番の田中浩康をスライダーで、続く館山昌平には真っすぐで連続三振に仕留めた。6回にも無死二塁のピンチを背負ったが、バレンティン、畠山和洋を連続三振のあと、宮本慎也もセカンドフライに打ち取った。

7回に1点を失いマウンドを降りたが、被安打4、四死球4、奪三振4、失点1と先発の役目を十分に果たし、チームとしては2007年の田中以来となる高卒1年目でのプロ初勝利を挙げた。釜田の野球人生を振り返ると、節目、節目で田中に影響を受けてきた。