2012.05.18

【プロ野球】移籍選手の交流戦。
山﨑武司、杉内俊哉、井川慶が古巣相手に秘める思い

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Nikkan sports

楽天から戦力外通告を受け、10年ぶりに中日に復帰した山﨑武司 5月16日から交流戦がスタートしたが、勝敗とは別に交流戦ならではの楽しみがある。それが古巣との対決だ。今季、シーズン開幕の時点で移籍選手は48人(育成1人含む)おり、そのうちリーグを替えた選手は30人。移籍の裏には、チーム事情や様々な思惑が絡んでおり、選手たちにとって交流戦はまさに格好の「恩返し」の場でもある。

 昨年の交流戦でも、打率.326、4本塁打、20打点でMVPに輝いた内川聖一は10年間在籍した横浜からソフトバンクに移籍しての大活躍だった。その中で、ヤフードームで行なわれた古巣との初対決では、レフトスタンドの横浜ファンから痛烈なヤジを浴びた。

「いろいろな声が聞こえてきました。覚悟はしていましたけど……あれでモヤモヤしていたものが晴れました。正直、踏ん切りがついた部分もありました」

 場所を横浜スタジアムに変えて行なわれた第2ラウンドで、内川は見事にホームランを放った。ダイヤモンドを一周しながら高々と拳を突き上げた姿に、内川の思いが伝わってきた。

 そして今年、古巣との対決に誰よりも強い意欲を燃やしているのが山﨑武司(中日)だ。前球団の楽天では、新規参入となった2005年から7年間チームの中心選手として活躍。しかし昨年は打率.229、11本塁打、48打点の結果に終わり、戦力外通告を受けた。球団からコーチ要請の話もあったが、現役続行にこだわり中日に復帰した。

 楽天とのオープン戦では塩見貴洋から一発を放ち、「今日は公式戦のような緊張感があった。120%のフルスイングでホームランを打ってやろうと、気合いも入っていた。今日のこれをKスタでもできるように頑張りたい。田中将大の結婚祝いに打ってやろうかな」とスタンドを沸かせたが、笑顔の裏には古巣への思いがあった。

「最初、楽天に来たときは、チームのためというより、自分自身やるだけやってダメだったらユニフォームを脱ごうと思っていました。でも、結果的に活躍することができて、野球の面白さも知ったし、ファンの方との絆も深まりました。正直、チームを離れる時は寂しかった。僕にとって楽天はやはり特別なチームなんです。だからKスタで行なわれる楽天戦は、なんとしてもバッターボックスに立って、ファンの方にプレイしているところを見てもらいたい」

 山﨑は4月25日からインフルエンザ感染のため登録を抹消されていたが、5月10日に一軍復帰。パ・リーグの本拠地で行なわれる試合はDH制が採用されるため、ブランコとの併用も可能になり、爆発に大きな期待がかかる。Kスタでの楽天×中日戦は、5月22、23日に行なわれる。