2012.02.10

【プロ野球】「断トツの優勝候補」大型補強の巨人が抱える不安

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • photo by Nikkan sports

オフにFAでソフトバンクから巨人に移籍した杉内俊哉 ソフトバンクから杉内俊哉、ホールトン、横浜から村田修一と他チームの主力選手を次々と獲得し、3年ぶりのV奪回に向けて、大型補強を完成させたジャイアンツ。「今年は断トツでジャイアンツ優勝」という声が多数を占める中、「清原和博、ローズ、小久保裕紀など、パ・リーグの主力打者を揃えながら優勝できなかった堀内監督時代に逆戻り」という声もある。確かに見た目の戦力は整っているが、本当に万全と言えるのだろうか。ある球団のスコアラーは次のように指摘する。

「普通に考えれば、ジャイアンツの優勝はかなりの確率で間違いないと思います。ただ、これまでも大型補強したからといって、勝てたわけじゃありません。ではなぜ、勝てなかったのか。それは本当に必要な戦力を獲っていなかったからです。補強には、ピンポイントで弱点を埋めるものと選手層を厚くするための2通りがある。今回のジャイアンツはまさしく後者。弱点がまったくないのであれば、この補強でもいいと思いますが、今のジャイアンツは弱点がないわけではない。まだまだつけ入る隙はあると思います」

 杉内、ホールトンと昨シーズン日本一のソフトバンクからローテーション投手ふたりを獲得したところをみると、それだけ先発陣に不安を抱えていたということだろう。確かに、最多勝の内海哲也は安定した投球が光ったが、新人王の澤村拓一にしても2ケタ勝利は挙げたが、負け数も多く貯金はゼロ。昨年の開幕投手、東野峻にいたっては8勝11敗と大きく期待を裏切った。とにかく先発三本柱を確立したいという原辰徳監督の意向もあり、先発を集めたくなる編成の気持ちはわからないでもない。