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【プロ野球】菊池雄星、筒香嘉智、今宮健太......今季のキーワードは『高卒3年目』 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 投手陣から見ていけば、菊池雄星(西武)今村猛(広島)に大きな飛躍の気配が漂う。3年前の春、甲子園のセンバツ決勝で花巻東(岩手)と清峰(長崎)のエースとして投げ合ったふたりだが、菊池は昨年6月にプロ初勝利を挙げるなど、10試合に登板し4勝(1敗)。シーズン終了後もオーストラリアのプロリーグへ派遣され、12月半ばまでプレイを続けた。帆足和幸(ソフトバンク)が抜けた先発左腕枠を掴み、ローテーションの一角に食い込みたいところだ。

 今村は、昨年開幕時は先発としてスタートしたが、その後は中継ぎ、セットアッパー、さらにはサファテが故障した時はストッパーとして起用されるなど、54試合に登板。3勝(8敗)2セーブ、13ホールドをマークした。今季はセットアッパーとして開幕から勝利の方程式の一角を担っていく。

 また昨年9月、巨人相手に7回途中2失点の好投でプロ初勝利を挙げた横浜の眞下貴之(まっか・たかゆき)あたりもチーム事情を考えれば大きなチャンスだ。188センチの長身サウスポーに新生球団の救世主としての期待までかかる。さらに、入団1年目の一昨年に4勝を挙げた秋山拓巳(阪神)も今季で入団3年目。昨年は故障もあり大半をファームで過ごしたが、今季のピッチングに今後の姿も見えてくるだろう。

 大きな結果を残すには、自らの成長はもちろん、チーム事情や起用のタイミングも深く関係してくる。そういう点で、ダルビッシュ有、チェンが抜けた日本ハムや中日の高卒3年目投手にも目が向く。

 日本ハムはポスト・ダルビッシュの最有力、中村勝だ。春日部共栄時代は全国的に無名だったが、1年目に球団としてはダルビッシュ以来となる、高卒新人投手の初登板初先発、初勝利を記録。「近い将来、エースになれる逸材」と首脳陣の期待も大きい。中日は岡田俊哉小川龍也の2009年のドラフト1、2位の両左腕。昨年、小川が先に一軍デビューを果たしたが、キャンプ、オープン戦での生き残り競争を制し、飛躍の1年とできるか。

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