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【プロ野球】大物選手が続々と流出したパ・リーグ。新戦力の台頭はあるか? (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 そして星野体制2年目に臨む楽天もエースの岩隈久志がマリナーズへ移籍。ただ残念なことに、昨季のイースタンでは規定投球回に達した投手はひとりもいないなど、現時点で「ポスト岩隈」とすぐに名前が挙がる選手はいない。その分、阪神から上園啓史、ヤクルトから川島亮という新人王経験者を獲得し、"再生"にかける。また、ドラフト1位で入団した武藤好貴(JR北海道)が、昨季のドラ1塩見貴洋のように1年目からローテ入りすれば戦える陣容は揃うはずだ。

 その他では、西武がポスティングでのメジャー移籍を希望していた中島裕之が交渉決裂により残留が決定し、戦力ダウンを免れた。オリックスは韓国球界の至宝、イ・デホをはじめ、巨人から高橋信二、西武からミンチェと実績のある選手を次々と獲得して戦力を整えた。また一昨年オフに投打の柱を失ったロッテだが、このオフは大きな戦力ダウンはないどころかドラフトの目玉だった藤岡貴裕を獲得。さらに昨年シーズン中に巨人にトレードされたサブローも復帰し、最下位からの巻き返しを図ろうとしている。

 上位チームから続々と主力選手が抜ける2012年のパ・リーグは、空前絶後の大激戦が予想される。新しい風を吹かせたチームに、勝利の女神がほほ笑むのではなかろうか。

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