2012.01.13

【プロ野球】大物選手が続々と流出したパ・リーグ。新戦力の台頭はあるか?

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

今年、先発ローテーション入りの期待がかかる5年目の岩嵜翔。 2012年のパ・リーグは勢力図が激変する可能性がある。特に昨季の上位チームは、「大黒柱」がメジャーリーグもしくは他球団に次々と流出。振り返れば2010年オフ、日本一に輝いたロッテは小林宏、西岡剛という投打の軸を失い、結局、昨年はその穴を埋めきれずに最下位に終わった。

 昨シーズン、断トツの強さで日本一に輝いたソフトバンクは杉内俊哉(8勝)、和田毅(16勝)の両左腕に加えて、ホールトン(19勝)が移籍し、先発ローテーションは大幅に再編されることになる。現時点で確定なのは、昨年14勝を挙げた攝津正と西武からFA移籍の帆足和幸、さらに日本シリーズでも先発した山田大樹ぐらいで、残りはまだ3枠もある。

 その中で、期待度ナンバーワンは5年目を迎える岩嵜翔(いわさき・しょう)だ。昨年プロ初勝利を挙げると一気に6勝をマーク。さらなる飛躍を誓い、今年1月にはダルビッシュ有に弟子入りし、一緒に自主トレを行なっている。その岩嵜の課題は勝負球だ。昨年7月28日の楽天戦(ヤフードーム)でプロ初完封をマークしたが、プロ野球史上16年ぶりとなる奪三振ゼロでの完封というおまけ付き。「恥ずかしい」と頬を赤くした右腕だが、市立船橋高時代の3年夏の甲子園では150キロを投げ込んだ逸材。昨年のツーシーム主体の打たせてとる投球から、"球界のエース"との合同自主トレで何を掴んでくるのか楽しみだ。

 だが、岩嵜がもし15勝しても上積みは9つにしかならない。杉内、和田、ホールトンの3人が挙げた43勝分の穴を埋めるなら、大隣憲司や巽真悟の働きも重要になる。大隣は08年に11勝をマークしたが、その後8→4→3と減少。それでも、昨季は9月だけで3勝を挙げ、内容的には今季に繋がるきっかけを掴んだ。巽は08年のドラフト1位ながら、いまだ一軍での勝ち星はなし。しかし、昨季はファームで最多勝(11勝)を記録するなど成長の跡を見せた。また、3年目を迎える150キロ左腕・川原弘之や高卒ルーキーながら評判の高い武田翔太の抜擢も十分考えられる。いずれにしても43勝トリオの穴をどこまで埋められるのか、彼らの活躍がソフトバンクの命運を握っていると言っても過言ではない。