【MLB】大谷翔平の不振の正体と復活のカギを名コーチ・伊勢孝夫が見抜いた "異変"を解説 (3ページ目)
── 今年、大谷選手はバットの長さを変えた(1.3センチほど短くなった)という話を聞きましたが、その点についてはいかがですか?
伊勢 変えたというより、使い分けている印象です。先をくり抜いているものと、そうでないものの2パターンです。バットの先端をくり抜くと軽くなる分、ヘッドが出やすくなります。
── バットの使い分けにはどのような意図があるのでしょうか。
伊勢 相手投手の得意球や攻め方によって使い分けていると思います。内角を攻めてくる右投手に対しては、バットの先が出やすい「くり抜き」のあるタイプが有効です。逆に、外角中心にスライダーを多投する左投手に対しては、「くり抜いていない」バットが適しています。
── バットを使い分けることで対応しようとしているのですね。
伊勢 かつてヤクルトに在籍していたジャック・ハウエルも、35インチの長いバットでインサイド攻めに苦しんでいましたが、34インチの短いバットに替えた途端、後半戦で30本塁打を放ってホームラン王を獲得しました。それほど、わずかに短くするだけでも、インサイドはさばきやすくなります。大谷の構えを見ると、34.5インチか35インチほどに見えますが、同じ長さでもくり抜いてあればヘッドが軽くなり、操作性は向上します。
【WBCに出場した影響は?】
── バッティングの改善方法はどこにあるのでしょうか。
伊勢 まずは155〜156キロのストレートをきちんと弾き返せるようにすること。やはり、"始動"に尽きます。メジャーの投手はカットボールやツーシームなど、細かく動く球が多いですが、速い球を意識しつつ、そうした変化球にも対応できる形をつくることが重要です。現状は変化球を意識しすぎて、ストレートがファウルになっているようにも見えます。155キロ以上の球をしっかり打ち返せるようになれば、調子は戻ってくるでしょう。
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