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田口壮が「常識では考えられない」と語ったイチローの10年連続200安打の偉業はなぜ達成されたのか (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

── 数あるイチローさんの記録のなかで、田口さんが一番「すごい」と感じるのは。

田口 メジャーでの10年連続200安打ですね。なにより"出続ける"ということがすごい。ほとんどケガもせずに、1番打者で年間700打席近く立って、それを10年やるって......常識では考えられないです。

── メジャーの場合、体調を管理するのは簡単ではないと思います。

田口 162試合は本当にきついですよ。体力的にも精神的にも。アメリカは移動もきついし、食生活も違う。1年やるだけでもしんどいです。

── イチローさんのように長く一線級で活躍し続けるのは、やはり稀有な存在ですよね。

田口 すごいと思います。本当に「管理のたまもの」です。体のケアはもちろんですが、それを支える心がすごい。たぶん、そこが一番大きいと思います。やり続けることって、ほんと大変ですから。

【イチローの練習には無駄がない】

── 現役引退してから、イチローさんは高校生を指導したり、女子の高校野球の選手と試合をしたりしています。その活動について、どう思われますか。

田口 いろんな意味で危機感を持っているんだと思います。すべては野球への愛情につながっていて、「野球のために」という考え方が根底にあると感じますね。イチローなりの野球界への恩返しなのではないでしょうか。

── 今の日本のプロ野球で、イチローさんに匹敵する存在はいますか。

田口 他球団のことはわかりませんが、少なくとも僕がコーチ、二軍監督をしていたオリックスにはいなかったですね。

── それは能力的な部分でしょうか?

田口 野球にかける時間ですね。イチローがオリックスに在籍していた頃は夜中まで練習していましたし、それを何年も続けていた。先程も言いましたが、イチローはそれを続けるメンタルがすごいんです。オリックスには能力の高い選手はたくさんいます。ただ、イチローほど野球に打ち込んでいる選手がいるかとなると......。

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