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【MLB】大谷翔平が目指す史上6人目の「ダブルMVP」 本塁打王と得点王だけじゃ満足できない (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【150得点以上なら25年ぶり】

 とはいえ、現時点でナ・リーグの本塁打王を予測するなら、大谷以外を筆頭候補に挙げるのは難しい。その理由はこうだ。

 大谷は過去2シーズンとも本塁打王を獲得し、今シーズンもトップに位置している。しかも、過去2シーズンの計98本塁打は誰よりも多い。大谷に次ぐのは、計95本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と計85本塁打のシュワーバーだ。大谷はナ・リーグ、ジャッジはア・リーグのチームにいる。

 また、過去4シーズンの7月以降のホームランは、18本→17本→14本→28本と推移している。9月初旬までしかプレーしなかった2023年を除くと、最少は17本だ。今シーズンも7月以降が17本だったとしても、6月までの29本塁打と合わせるとシーズン46本塁打となる。この本数でも本塁打王はあり得る。2021年〜2024年の本塁打王のうち(1位タイはひとりとして数える)、8分の3は46本以下だった。

 その一方で、今シーズンも昨シーズンの7月以降と同じ28本を打てば、シーズン全体では57本塁打となる。2021年以降のシーズンで55本塁打以上を記録したのは、ジャッジだけだ。

 ホームラン以外では、今シーズンの大谷は得点の多さが目につく。6月末時点の82得点は両リーグ最多。ナ・リーグ2位は66得点のエリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)で、ア・リーグ1位は73得点のジャッジだ。

 このままのペースだと、大谷の得点数はシーズン全体で156〜157に達する。1900年以降のシーズン最多は1921年にベーブ・ルース(ヤンキース)が記録した177得点だが、1950年以降で150得点以上を記録したのは2000年のジェフ・バグウェル(152得点/ヒューストン・アストロズ)しかいない。

 ただ、本塁打王を獲得し、ほかの個人スタッツもすばらしく、3シーズン連続5度目のMVPに選ばれても、大谷は満足しないだろう。今世紀のメジャーリーグかつドジャース史上初の「ワールドシリーズ連覇」を成し遂げてこそ、ゴール到達となるはずだ。

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