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【MLB】大谷翔平が目指す史上6人目の「ダブルMVP」 本塁打王と得点王だけじゃ満足できない (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【2023年は逃げきって本塁打王】

 大谷を筆頭に、ナ・リーグには6月末時点で20本塁打以上の選手が8人いる。その数はア・リーグの2倍だった。

 26本のエウヘニオ・スアレス(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)と25本のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)が2位と3位に位置し、その下には22本の鈴木誠也(シカゴ・カブス)とジェームズ・ウッド(ワシントン・ナショナルズ)、21本のピート・クロウ=アームストロング(カブス)、20本のコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)とフアン・ソト(ニューヨーク・メッツ)が並ぶ。スアレスとソトは6月に11本を記録し、鈴木の月間本塁打は大谷より1本多かった。

 4年前の2021年、大谷は46本のホームランを打ちながら、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)に2本差をつけられ、本塁打王を逃した。

 6月末時点の本数は、大谷が28本(1位)、ゲレーロJr.が26本(2位)、ペレスは19本(6位タイ)だった。オールスターブレイク(7月中旬)の時点では、それぞれ33本(1位)と28本(2位)と21本(9位タイ)。ゲレーロJr.に5本差をつけ、ペレスとの差は12本もあった。

 今シーズンも、ペレスのように後半戦でホームランを打ちまくる選手が出てこないとは限らない。その一方で、ここから大谷のホームラン数が思ったより伸びなくても、トップのまま逃げきれることもあり得る。こちらは、2023年が当てはまる。

 2023年の大谷は大きくペースダウンしたわけではないが、9月初旬にシーズンを終えたため、7月以降のホームランは14本にとどまった。この本数は、2021年より4本少ない。けれども、ア・リーグでシーズン40本塁打に到達したのは、大谷しかいなかった。2021年と比べるとマイナス2本の44本塁打ながら、大谷は本塁打王を獲得した。

 これらの例からもわかるとおり、タイトルは相対的なもの。60本台のホームランを記録しても、同じリーグに70本塁打の選手がいれば、もちろん本塁打王は獲得できない。

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