【MLB】大谷翔平の二刀流復帰とインターナルブレース手術 元最多勝投手は「2度目の大手術はキャリアの終わりじゃない」 (2ページ目)
【不安を払拭した二刀流復帰後の打撃成績】
ストライダーやデグロムの復活は、同じくハイブリッド方式の手術を受けた大谷にとって、朗報であり、励みでもある。大谷も、彼らのように先発投手として完全復活を遂げたいと考えている。2度目の登板を終えたあと、二刀流として復帰できる手応えについて問われた大谷は、次のように語った。
「単純にうれしいです。まだ1イニングですけど、徐々に投げる回を増やしていければいい。やっぱり5回以上を投げられるようになって初めて、先発投手(スターター)と言えると思うので、そこまで後退しないように、少しずつ前進していければいいなと思います」
とはいえ、大谷がストライダーやデグロムと違うのは、「二刀流」であることだ。6月17日と19日のサンディエゴ・パドレス戦では、報復死球の標的となった。これについて本人は、「特に影響はないです。我慢できる痛みの範囲ですし、打撲に関してはケアをしっかりしていけば、数日でよくなると思います」と語ったが、ドジャース首脳陣の頭には不安しかない。なにより、チームの最終目標は「世界一」であり、大谷が2019年や2023年のロサンゼルス・エンゼルス時代のように、9月上旬でシーズンを終える事態は絶対に避けなければならない。
特に大きな懸念材料とされているのは、投手としての登板が打撃に悪影響を及ぼす可能性である。実際、6月16日の今季初登板以降、5試合で19打数2安打と不振に陥った。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「疲労が原因とは考えていない。我々はスイングスピードなどの追跡データも見ているが、異常は見られない。あとは彼の言葉を信じるしかありません」と語っていた。
大谷は22日の2度目の登板試合で、そうした懸念を払拭した。投げ終えたあとの7回に走者一掃の三塁打、8回には2ラン本塁打を放ち、計5打点を記録した。「まだ改善しなければならない点はあると感じていますが、同時に、過去の自分よりももっとよいパフォーマンスができるとも感じています」と自信をのぞかせた。
実際、22日以降の5試合では連続安打を記録し、4本塁打、3三塁打、5四球、10打点、9得点と、見事な成績である。
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