【MLB】アーロン・ジャッジが無双の打撃でヤンキースの苦戦予想を一蹴 米国代表主将としてWBCへの決意も示す (2ページ目)
【大谷翔平? ジャッジ? 過熱するNo.1プレーヤー論争】
今年2月、MLBネットワークが発表した現役トップ100プレーヤーランキングでは、1位に大谷、2位にジャッジを据えた(3位はロイヤルズのボビー・ウィットJr.、4位はソト、5位はドジャースのムーキー・ベッツ)。妥当な結果にも思えるが、ヤンキース自前のTV放送局である『YESネットワーク』の名物ブロードキャスター、マイケル・ケイは批判的だった。
「教えてほしいんだが、大谷はジャッジよりどう優れているというんだ?(投手もできることが決め手というが)彼はもう18カ月間も投球していない。復帰したらどんな投手になるか、どうやってわかる? いつ復帰するかも、どうやってわかるんだ?
いったいどこで大谷がジャッジより優れていると言えるのか理解できないよ。2025年には大谷が再び圧倒的な投手になると考えているのか?」
去年の打撃成績を見ると、盗塁以外のほぼすべてのカテゴリーでジャッジが上だった。両者はそれぞれのリーグでMVPに選ばれたが、NBAのようにリーグで統一のMVPをひとり選ぶならジャッジが選出されていたのかもしれない。ジャッジがポストシーズンで不振だったこと、大谷の投手としての期待値を盛り込めば、プレーヤーランキングでは大谷が上でもいい。それでもジャッジがこのまま打ち続ければ、今季を通じてケイのような意見も増えていっても不思議はない。
"唯一無二の二刀流"としてもはや孤高の存在となった印象もある大谷だが、こうして同世代に打者として同等に近い評価を得る選手がいるのは、ポジティブなことだろう。今季を通じて打撃成績で争い、来春のWBCでも鎬(しのぎ)を削るような流れになれば、ほぼ唯一のライバル的な存在として確立していくのかもしれない。
そういった意味でも、ニューヨークの象徴となったスーパースター、ジャッジの打棒をこれからも楽しみにしていきたいところだ。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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