検索

【MLB】開幕8連勝のドジャースの強さとは? メジャー記録のシーズン116勝を超えるか (2ページ目)

  • 鈴木優●文 text by Suzuki Yu

黙々と試合前の練習に励むムーキー・ベッツ photo by Suzuki Yu黙々と試合前の練習に励むムーキー・ベッツ photo by Suzuki Yuこの記事に関連する写真を見る たとえば昨年、ベッツ選手がセカンドからショート、そしてライトと守備位置を変えても、柔軟に対応できたのは「チームのために」という思いがあったからだと思います。

 これだけのスター選手が集まれば、個人のエゴが出ても不思議ではありません。実際、スター選手が揃っても勝てないチームはありますdが、ドジャースのフロント陣は実力だけでなく、人間性まで考えてチーム編成をしています。だから"個"ではなく、"和"を大切にする選手が集まり、このような理想的なチームができあがったのだと思います。

【バイプレーヤーたちの存在感】

 もうひとつは、「MVPトリオ」以外の選手の存在感です。ドジャース打線といえば、大谷選手、ベッツ選手、フリーマン選手の3人に注目が集まっていますが、じつは打点や得点が彼らに偏っているわけではありません。

 テオスカー・フェルナンデス選手、トニー・エドマン選手、マックス・マンシー選手、ウィル・スミス選手といった選手たちは、いつでもホームランやタイムリーを打てる強打者です。試合を決定づける一打は「MVPトリオ」が担うことが多いですが、同点打や試合の流れを変える重要な局面で、彼らはしっかり役割を果たしています。

 どこからでもチャンスをつくれるこの打線は、相手にとっては脅威です。試合終盤にリードしている展開であっても、油断できません。気がつけば点差が縮まっている......そんな場面を何度も見てきました。

 層の厚さ、選手たちの人間性、MVPトリオ以外の存在感──この3つが、ここまでドジャースの試合を見てきて感じる点です。長いシーズン、このままずっとこの調子で行くとは思えませんが、昨年のワールドシリーズを制したドジャースよりも強くなっていると思います。

 メジャーのシーズン最多勝利は、1906年のシカゴ・カブス、2001年のシアトル・マリナーズが記録した116勝ですが、今年のドジャースは120勝以上するのではないかと思っています。そんなところにも注目して、これからの試合を見てほしいです。

著者プロフィール

  • 鈴木 優

    鈴木 優 (すずき・ゆう)

    1997年2月5日生まれ、東京都出身。小学4年生から野球を始め、都立雪谷高校ではエースとして活躍。2014年のドラフトでオリックスから9位指名を受け入団。20年7月1日の西武戦でプロ初勝利。翌年は11試合に登板するも、防御率9.00で10月に戦力外通告を受ける。同年12月に育成契約として巨人に入団するも、22年は結果を残せずに自身2度目の戦力外通告を受け、現役引退。その後、アメリカに渡り、新たなキャリアを模索。現在はロサンゼルスを拠点に活動し、フジテレビ系列の『Live News イット!』のMLBリポーター、メジャー観戦記の執筆など多岐にわたり活躍中

フォトギャラリーを見る

2 / 2

キーワード

このページのトップに戻る