【ワールドシリーズ展望】五十嵐亮太が分析する大谷翔平&山本由伸とドジャースの強さ 「絶体絶命のピンチをプラスに変えられる組織力」 (2ページ目)
── ディビジョンシリーズの第4戦、ドジャースは負ければ終わりの試合をリリーフ陣でつなぐ"ブルペンデー"で勝利しました。
五十嵐 そうなんですよ。負けたら敗退のところ、ブルペン陣が踏ん張って8対0で勝利。あそこでドジャースに勢いが出てきたというか、チームとして自信になったと思うんです。実際、その次の試合で山本投手が好投したわけですからね。あの試合は大きかったですね。
── ディビジョンシリーズからリーグチャンピオンシップへと進むなかで、ドジャースの戦いに変化みたいなものを感じましたか。
五十嵐 組織の力ですよね。これは何かの記事で見たのですが、チームが苦しい状況の時に、選手たちが集まってミーティングをしたと。ドジャースはあれだけケガ人が出て、チームとしてものすごく厳しい状況にあった。そんな絶体絶命のピンチをプラスに変えたというのは、あらためてすごいチームだなと思いましたね。
── そうした結束力みたいなものが、ドジャースの強さだと?
五十嵐 ここまで来ると、技術はもちろん大事なんですけど、精神的な部分が大きく左右してくると思うんですよ。とくにチームが苦しい時こそ、組織力であったり、リーダー的な存在の選手が必要になってくる。なかでも、ポストシーズンでのドジャースのブルペン陣というのは、ものすごく結束していたのかなと感じました。
── 投手陣に不安があると言われていたドジャースですが、ディビジョンリーグ、リーグチャンピオンシップの11試合で完封勝ちが4試合あり、すべて継投でした。
五十嵐 ポストシーズンに入って、一人ひとりが強いボールを投げていますし、平均スピードも上がっていたはずです。ブルペン陣が安定してくれたことが、監督のなかでも安心材料となって、ゲームの組み立てがしやすくなったんじゃないでしょうか。
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