大谷翔平vsメッツ投手陣、強力なドジャースのブルペン...リーグチャンピオンシップシリーズの行方をデータで分析 (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

【大谷が苦手とする投手はメッツにいない】

 さて、それではリーグチャンピオンシップシリーズの相手となるニューヨーク・メッツはどうかというと、大谷が特に苦手にしている投手はいない。

 第1戦先発の千賀滉大は日本時代に2本塁打でOPS(出塁率+長打率)は.936だし、第2戦先発のショーン・マナイアも左腕だが、メジャーで通算7打数2安打2四球、出塁率.444と相性は悪くない。第3戦先発が予想されるルイス・セベリーノも1本塁打を含む6打数3安打だ。ブルペンにもスコットのような癖のある左腕はいない。

 左腕で起用法が気になるのは、元々先発のデービッド・ピーターソンだ。メッツのカルロス・メンドーサ監督は、ワイルドカードシリーズのブルワーズ戦では試合の終盤にピーターソンを使いセーブを挙げさせ、フィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズでは、第1戦では千賀の後に2番手で登板、第4戦では6回途中から出てきて7つのアウトを奪い、クローザーにバトンを渡した。シンカーやスライダーを駆使しゴロを打たせるタイプで、ここまでポストシーズン3試合、6.1イニングで無失点だ。メッツの投手陣でカギを握る存在になるのかもしれない。大谷との過去の対戦成績は7打数2安打である。

 メッツのクローザーは直球とスライダーが武器のエドウィン・ディアス。今季は制球が不安定で防御率3.52といまひとつ。メッツの救援投手はディアスを含め、今季ナ・リーグで最も高い四球率(10.8%)で、ポストシーズンではさらに四球率が悪化(12.4%)している。いくら球が速くても制球難の投手なら大谷は打つだろう。手こずる可能性があるのは第2戦先発の左腕マネイア。スリークォーターの角度から投げていたが、8月から腕の角度をさらに下げ、横手投げに近づき、アトランタ・ブレーブスのクリス・セールのようなフォームになった。左打者にはシンカーとスイーパーで攻める。ボールの出どころが見にくいのは確かだろう。

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