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日米通算200勝達成のダルビッシュ有に元専属捕手・鶴岡慎也は「投げることへの執着心は20歳の頃とまったく変わっていない」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 日本ハム時代は、ああいう雄叫びを上げたりしていたのですか。

鶴岡 集中した"ここぞ"という場面ではありましたよ。4月に故障者リスト入りから復帰しましたが、現在の闘志あふれる姿からは、心身の充実ぶりをうかがわせます。投げているボールを見ても万全でした。

── そのドジャース戦は、7回を2安打、無失点、7奪三振とすばらしい内容のピッチングでした。

鶴岡 ストレートは96マイル(約155キロ)をマーク。大谷選手が欠場し、代わりに2番に入ったフレディ・フリーマン選手なんて、もうお手上げのような空振り三振でした。高めにツーシーム、カットボールを投げられ、とんでもないところを振っていました。完璧な抑え方でしたね。

【飽くなき変化球への探究心】

── 今シーズンを含めて、契約はあと5年。今後のダルビッシュ投手をどう予想しますか。

鶴岡 MLBの公式サイトでは、現在、ダルビッシュ投手の球種は8種類(ストレート、カットボール、スライダー、ホップスライダー、スラーブ、カーブ、ツーシーム、スプリット)とされています。彼のことだから、これまで見たことのない変化球を編み出す可能性もありますね(笑)。

── そんなことはあり得ますか。

鶴岡 いきなり腕の位置を下げたり、投球フォームが変わるかもしれませんよ。今年の正月、サンディエゴで話をした時、「投げることへの執着心」は20歳の頃とまったく変わっていなかったですね。「いろんな変化球を投げたい」「打者を圧倒したい」という気持ちをひしひし感じました。それで私は「キャリアの終わりはまだまだ先のことだな。ファンをまだ楽しませてくれる」と感じました。

── 言動にも、落ち着きや重みがあります。

鶴岡 "人間力"が増してきました。昨年のWBCでも、日本の投手たちに変化球の握りを惜しげもなく伝授するなど、日本野球の普及と発展を考えていました。今後多くの日本人投手が海を渡るのでしょうが、今季パドレスの一員となった松井裕樹投手に対しても兄のような雰囲気を漂わせています。

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