大谷翔平とダイヤモンドバックス先発投手陣の相性は? 特大本塁打に大飛球めぐる因縁も (2ページ目)
【ダイヤモンドバックス投手陣と大谷翔平の対戦成績は?】
メジャーでの生き残りをかけた今季を迎えているヘンリー photo by AP/AFLOこの記事に関連する写真を見る 4月29日(日本時間30日)から、ドジャースは敵地アリゾナに乗り込んでの3連戦。第1戦のダイヤモンドバックスの先発はおそらく左腕トミー・ヘンリー(26歳)となる。昨年の大谷翔平との初対戦では、四球、一ゴロのあと、84マイル(134km)の真ん中スライダーを完ぺきにとらえられた。大谷にとって自己最長飛距離の150.2mだった。ヘンリーは「すさまじい音だった。でも打球の行方は見なかった。音だけは覚えている」と悔しそうに振り返っている。
2019年のドラフト2巡の生え抜きで、2022年にメジャーデビュー。3年間で30試合に先発、9勝9敗、防御率.4.72。これからも先発を続けられるかどうかは不明で、彼にとって勝負のシーズンだ。
第2戦の先発はモンゴメリー。大谷との初対決は2022年5月31日、モンゴメリーは当時ニューヨーク・ヤンキースのメンバーだった。大谷の第1打席、高めの直球をとらえた打球は、センターに高々と舞い上がる。MLBのほとんどの球場だと本塁打だが、ヤンキースタジアムはセンターが深い。しかも中堅手は201cmの長身アーロン・ジャッジ。フェンス際でジャンプ一番、手をいっぱいに伸ばして本塁打をもぎ取った。ジャッジは試合後「オオタニが月まで打ったのかと思った」とジョーク。幸運にもグラブの中に残ってくれた」と説明している。
2打席目は2-2から低めへのシンカー。リプレーを見るとボール1個外れていたが、球審の判定はストライクで見逃し三振。3打席目は2-1から外角チェンジアップをライト右に二塁打とした。
2度目の対決は2023年8月15日で、モンゴメリーはレンジャーズに在籍。第1打席は一塁へのゴロ。198cm・103kgのモンゴメリーがベースカバーで一塁に走るが、ちょっとスタートが遅れた分、193cm・95kgと同じく巨漢だが、スピードに勝る大谷が一瞬早くベースに到達し、内野安打を稼いだ。
2打席目も一塁へのゴロ。今度はモンゴメリーが大谷より早くベースに着いた。ふたりの大男が2度も一塁に向けて全力疾走する姿は迫力満点。大谷の3打席目は外角低めのカーブに2球連続空振り、最後は低めへの真っすぐで見逃し三振だった。
第3戦はエースのザック・ゲーレン(28歳)の見込み。大谷との初対決は昨年7月2日で大谷は完璧にしてやられた。第1打席は高めの直球で追い込まれ、最後はワンバウンドする内角のナックルカーブに手が出て空振り三振。2打席目は内角のカッターのあと、高めの直球で空振り、最後は外角いっぱいの直球で見逃し三振。3打席目はボール2と大谷がカウントで有利に立ったが、3球目真ん中の直球に左飛だった。
ゲーレンは昨季、ポストシーズンを含め243.2イニングも投げた。そこで今季序盤は中5日での登板を増やし、球数も100球を超えたのは1度だけと力をセーブ。目標はあくまで世界一であり、9月、10月の戦いを見据えている。
ダイヤモンドバックス投手陣は、大谷に対してどのように攻めるのか。第1戦は4月29日、日本時間30日の午前10時40分に試合開始予定だ。
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
フォトギャラリー:大谷翔平の全試合を現地観戦する「ミニタニ」
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