レッドソックス吉田正尚には「大型契約も納得」、メッツ千賀滉大は「B評価」。各球団の専門メディアの評価は正反対

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

MLBに挑む日本人選手たち 前編

吉田正尚、千賀滉大

 MLBは各球団の補強がほぼ完了し、ストーブリーグはひと段落した感がある。今オフも、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の9年3億6000万ドル(約460億円)やトレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)の11年3億ドル(約383億円)など、超大型契約が現地をにぎわせた。

 日本人選手では、元オリックスの吉田正尚(ボストン・レッドソックス)と元ソフトバンクの千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)も、それぞれ大型契約を結んで話題になったことが記憶に新しい。両選手とも人気の球団に入ったことから、これから多くの注目を集めることが予想される。

レッドソックスと契約を結んだ吉田(左)と、メッツと契約を結んだ千賀レッドソックスと契約を結んだ吉田(左)と、メッツと契約を結んだ千賀この記事に関連する写真を見る そこで、春季キャンプまで約1カ月の今、吉田と千賀が所属する各球団の地元メディアに各選手への期待度や評価を聞いてみた。

 まずは、今オフ日本人選手で一番にMLB移籍を決めた吉田正尚について。吉田は、MLBからポスティングが公示された12月6日(現地時間。以下同)の翌日にレッドソックスと契約をまとめたことで大きなニュースになった。一方で、5年総額9000万ドル(約118億円)という大型契約は、大手メディア『ESPN』から「過払いだ」との指摘もある。

 地元メディアの反応はどうだろうか。レッドソックス専門メディア『ビヨンド・ザ・モンスター』のクリス・エンリケ記者は、吉田獲得について次のように語る。

「(オリックスでチームメイトだった)アダム・ジョーンズに『日本のフアン・ソト(サンディエゴ・パドレス)』と称される選手を獲得できたことは、ボストンにとってエキサイティングなことです。ザンダー・ボガーツとJ.D.マルティネスを失ったレッドソックスにとって、まさに吉田のような打者が必要でした」

 吉田獲得を歓迎するエンリケ記者は、『EPSN』で批判された大型契約についても、「彼のように出塁が期待できる選手が必要だったことを考えると、今回の契約のスピード決着も納得できるし、双方にとってフェアな内容だと思います」と満足している様子だ。

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