米メディアが「大谷翔平の50ホーマー」の可能性について言及。それを後押しする数字と体の変化 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AFLO

 なぜ、大谷はこれほど進化したのか。MLB公式テレビ局『MLBネットワーク』によれば、「打撃フォームの改造」と「軸足(左足)の強化」にその答えがあるという。

 中でも、5月17日にインディアンス戦で放った13号ホームランについての解説は興味深かった。この時に大谷が捉えたボールの高さは地上から約1.28メートルと、見逃しても完全にボールになる球。その高めに来た球をホームランにできた理由として注目されたのは、今季から実践している「ノーステップ打法」だ。同番組の解説者は、「今季からレッグキック(右足を上げること)をやめたことで顔や体が固定され、たとえボールが高かったとしても安定したスイングができている」と説明。さらにこう続けた。

「大谷のすごいところは、高めのボールをコンタクトする際、肩が上がっていてもバットが手よりも下あること。その結果、臀部からの力がボールに伝わり、すさまじいパワーなっています。普通のバッターなら高めのボールを打つ際に、バットが手よりも上に来て、叩きつけるようなスイングになるはずです」

 さらに、このスイングを可能にしているのは、「大谷が軸足(左足)を強化したからだ」とも述べている。昨季、極度の打撃不振に陥った原因のひとつとして、軸足を後ろに動かす癖が挙げられていた。しかし、昨オフに行なった下半身のトレーニングによって、今季はその癖がまったく見られなくなったと指摘している。

 同番組はさらに大谷の打撃フォームを深掘り。対象になったのは、5月14日のレッドソックス戦で放った11号だ。このホームランは、高さ約11.3メートルもあるレフトフェンス、通称"グリーンモンスター"を越えた特大弾だったが、大谷が仕留めたそのボールは昨季苦手とした外角球だった。

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