秋山翔吾、5年目の転機。守備の人→安打製造機へ柳田悠岐に勝ちたかった (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO


 22歳でプロのキャリアを始めた頃は羽ばたくまでに数年の猶予期間があったのに対し、31歳でメジャーに飛び込む今はすぐに結果を残さなければならない。相手投手や、レギュラーを争うチームメイトのレベルは格段に上がる。国際試合で日本人打者を苦しめてきたツーシームやチェンジアップという"動くボール"や、フライボール革命対策として効果的に用いられる高めのフォーシームに対処しなければならない。言葉の壁や移動距離、文化の違いもある。

 これらの違いに、どれだけ早く対応できるか。レッズと結んだ3年総額約23億円という好条件は、それだけノルマが高いという裏返しでもある。

「知識の量だったり、この9年間で見てきたものは増えています」

 試合を重ねるなかで知識を増やし、経験を積み、自信をつけ、実績を残したオールドルーキーは高い期待を寄せられ、新天地に渡る。日本よりはるかにレベルの上がるメジャーリーグで、何をどこまで貫くことができ、どんな変化を見せるのか──。

 この春、愚直な男が臨む、楽しみなシーズンが始まる。

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