バリバリ鍛えた田中将大。故障明けもパワーアップで先発ローテ復帰 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 また、"田中は大舞台に強い"というイメージはニューヨーカーの共通認識。宿敵レッドソックスとのつばぜり合いが続きそうな後半戦、そして、その先のプレーオフに向けて田中への期待が大きくなるのは当然だ。

「3〜4週間休んだことが、 長い目で見たときに彼の助けになることを願っている。腕を休められたことが、終盤戦に向けてプラスになるはずだ」

 アーロン・ブーン監督の言葉通り、今回の故障箇所は脚であり、大事な右腕に支障があったわけではない。復帰後はフレッシュな状態で投げられるはずで、昨季同様、シーズンが進むにつれて投球内容が上向くことも十分に考えられる。

「(リハビリ中に)バリバリ鍛えましたからパワーアップしてますよ。(今日は)球速は出てなかったですけど(笑)」

 リハビリ登板時の最速は92マイル(約148キロ)だったが、スピードガンの数字以上に勢いがあったように見えた。本人の軽いジョークも手応えの表れだろう。

 満を持してメジャーの舞台に戻ってくる田中は、先発ローテーションの不安を吹き飛ばすような投球ができるのか。サイ・ヤング賞候補になっているセベリーノ、ベテラン健在を示しているCC・サバシアとともに、再び先発投手陣の軸になれるのか。

 ヤンキースは今月中に先発投手を補強する可能性は高いが、グレイに続いて田中も不安を感じさせるようなことがあれば、トレード期限までに本気で"エース級"を獲りにいかなければならなくなる。そういった意味で、背番号19はチームの未来を担っている選手のひとりと言っても過言ではない。復帰以降も、ファン、チーム関係者の熱い視線は田中の右腕に注がれることになるだろう。

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