2018.06.29

あの元巨人のダメ助っ人が、
日本での失敗に学びメジャー監督で成功へ

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 昨季、66勝96敗でナ・リーグ東地区の最下位となったフィラデルフィア・フィリーズが、今季は42勝36敗(6月28日現在)と大健闘。同地区の首位を走るアトランタ・ブレーブス(昨季は72勝90敗の3位)と並ぶ、2018年の”サプライズチーム”になっている。

 若手中心のフレッシュなメンバーを、今季から巧みに操縦しているのが42歳のゲーブ・キャプラー監督だ。

2005年に巨人でプレーした経験がある、フィリーズのキャプラー監督 その名前に聞き覚えのある日本のプロ野球ファンも多いだろう。メジャーで合計12年という長いキャリアを過ごしたキャプラーは、2005年に読売ジャイアンツでプレー。攻守に優れたバリバリの元メジャーリーガーとして、来日当初は大きな期待を集めた。

「日本での出来事は今ではポジティブな経験として捉えているよ。多くを学んだ。いいプレーができなかったのは私自身の責任。もっと貢献できていれば、ジャイアンツにとって、私にとって、より良い経験になっていたはずだったんだ」

 キャプラーのそんな言葉は、日本で成功できなかった選手のありきたりなコメントに聞こえるかもしれない。2005年に読売ジャイアンツの一員となったキャプラーだったが、開幕から17打席ノーヒットと苦戦。38試合で打率1割5分3厘、3本塁打とまったく活躍できず、同年7月8日に自ら契約解除を申し出た。

 いわゆる”助っ人”としては、明らかに”大失敗”だ。ウィキペディアなどを見ても、あまり好意的ではないエピソードが記されており、本人の中でも苦い記憶として残っているだろう。

 一方で、キャプラーの「今ではポジティブな経験」という言葉は、必ずしも月並みな決まり文句とは言えない。今季前半戦での手綱捌きを見ると、若き日に過ごした異国での日々が、少なからず好影響を及ぼしているように思えるからだ。