「大谷翔平におったまげた」NYの
記者4人。未来予測は意見が割れた

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

〈3〉 能力は素晴らしいが、二刀流ゆえに使い方が難しい選手でもある。特に、先発間隔を空けると他の投手に影響が出かねないが、エンゼルスの起用法は少し慎重すぎるのではないか

クラピッシュ まったくそうは思わない。彼は若く、海外から来た選手で、練習方法も起用法もこれまでとは違う。彼にとってすべてが新しいことなんだ。そんな大谷をエンゼルスは大事に扱い、登板間隔を空け、成功のための条件を整えている。私は彼らのやり方を全面的に支持する。

レノン ヤンキースとの3連戦でも先発登板してほしかったし、それが実現しなかったのは残念ではあった。ただ、そうだとしても、エンゼルスに批判的になるのは難しい。二刀流はほとんどベーブ・ルース以来のことで、前例と呼べるようなものがない。私たちと同じように、エンゼルスの監督、GM、投手コーチ、そして大谷本人も、日々どうすべきかを学んでいっている。身近にいる彼らが「休養が必要」と判断したのなら、それを否定できない。

 ただ難しいのは、彼がコンスタントにマウンドに立てなければ、チーム側も主戦投手として頼りにはできないということ。ベストピッチャーには5日に1度は投げてほしいが、彼が8、9日に1度しか登板できないとすれば、チームのやりくりは難しくなる。

ハービー ファンの視点で見ると、エンゼルスは慎重すぎると感じるだろう。 「もっと頻繁に投げて、打ってほしい」と思うのは自然なことだからだ。ただ、このスポーツを理解し、今季、さらには来季以降のことも考えるなら、エンゼルスは適切な方法で起用しているのではないかと思う。大谷に負荷がかかりすぎないように留意している。投打両面で、ポストシーズンまで視野に入れて準備しているのではないか、という印象も受ける。

アドラー 現代のベースボールには彼のような選手はいなかったから、起用法の青写真が存在しない。それゆえ、慎重になりすぎているのかどうかを測る指標もない。彼を疲弊させないことを念頭に、エンゼルスはおそらくは適切な使い方をしているのだろう。一部のファンはもっと頻繁に大谷の活躍を見られないことが残念だろうが、チームは選手の健康を第一に考えている。

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