2017.08.25

イチローが迫る「史上6人目の偉業」を
選手もレジェンドもリスペクト

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

 マイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントンの勢いが止まらない。

 イチローのチームメイトでもスタントンは、7月5日からの43試合で25本(8月23日の試合終了時点)のホームランを放つなど、人間離れしたパワーを見せつけている。そのなかには、6試合連続ホームランという離れ業もあった。

 8月14日の試合で43号を記録し、早々にマーリンズの個人球団年間最多本塁打記録を塗り替えた。そして翌日、メジャー屈指の左腕であるサンフランシスコ・ジャイアンツのマディソン・バムガーナーから44号を放った。

アウトコース低めの難しいボールに手を伸ばしながらバットに当て内野安打を放ったイチロー パワーヒッターに注目が集まるメジャーリーグにあって、その象徴がヤンキースのアーロン・ジャッジからスタントンへと移り変わった。

 そのスタントンがジャイアンツのエースから132メートルの特大アーチを打ち込んだ夜、それとは対照的な一打をイチローは放っていた。

 ジャイアンツの捕手、バスター・ポージーがミットの先を地面につけ、ボールを体でブロックする構えをした瞬間、イチローはアウトコース低めに逃げていくボールに手を伸ばしながら当てた。打球はピッチャーの頭を越え、猛ダッシュで走り込んできた二塁手の前にポトリと落ちる。推定飛距離、約24メートルの内野安打となった。

 スタントンとイチローの打球をマスク越しに見ていたポージーは、試合後こんな感想をもらした。

「スタントンのパワーはもちろんすごいけど、イチローのテクニックもずば抜けている。イチローのことは、自分がドラフトされる前から知っていたし、尊敬していたよ。彼の、他人が真似できないテクニックを見るのがすごく好きなんだ。もしイチローがあのボールを打っていなかったら、地面でワンバウンドしてミットに収まっていたと思う。あの球を打てる選手は、そうはいないだろう」