敬遠にドラマは必要なし。
ルール改正にドライなメジャーリーグの発想 (5ページ目)
こうした状況を改善するため、ひざ頭の下までだったストライクゾーンをひざ頭の上まで変更することにしました。少しでもストライクゾーンを狭くしてバッター有利にすることで、投高打低の傾向を矯正しようとしたのです。
その後、1990年代になると今度は打高投低の時代となりました。すると、1996年からストライクゾーンをひざ頭の下まで戻しています。そして近年、ステロイド時代が終わってふたたび投高打低の傾向になってきました。すでにメジャーリーグ機構は選手会に要望しているので、再度ストライクゾーンが変更される可能性も十分にあるでしょう。
ちなみに識者の一部からは、「いずれ球審がロボットになるのでは?」という話も出ています。すでに各球場にはストライクを機械で判定するシステムがネット裏に配置されており、2015年にはアメリカの独立リーグで試験的に導入されました。ただ、こればかりは長い歴史のある話なので、ファンの反発もあるでしょう。
また、投高打低の傾向を是正するために、マンフレッド・コミッショナーは極端な守備シフトを規制したり、ナ・リーグにDH制を導入する案も検討しているようです。コンピューターの進化によってバッターの傾向が明確となり、データで守備シフトを敷く戦術は一気に流行りました。これによりヒットが減少したため、新たなルールで是正しようと動いています。
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