気が早いけど...WBCで日本に立ちはだかる北中南米の凄腕メジャー選手 (4ページ目)

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by Getty Images

ベネズエラ

 昨シーズン、112人がメジャーリーガーとしてプレーしたベネズエラは、ベテランと若手をバランスよく招集したチームで挑んできた。

 ベネズエラ代表の投手陣の核となるのは、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)だろう。キャリア12年で154勝、防御率3.16を誇り、地元シアトルでは「キング・フェリックス」のニックネームで愛される不動のエースも、今年で31歳を迎える。かつての剛速球は影を潜めているものの、右バッターの懐をえぐる決め球のシンカーはいまだに一級品だ。

 打者では、33歳のミゲル・カブレラ(タイガース)の活躍が期待される。現役メジャーリーガーの中でも、彼のここまでの通算成績は軒並みトップクラスだ。打率.321(1位)、本塁打446本(2位)、打点1553(3位)、安打数2519本(5位)と、MLB殿堂入りが確実視されている。彼の1発は、チームをWBCの頂点に導く大きな原動力になるだろう。

 しかし、このふたりをしのぐ注目を集めているのが、26歳のホセ・アルトゥーベだ。身長165cmの彼は現在メジャーリーガーの中で最も小柄な選手だが、昨シーズン、3年連続の200本安打を達成し、両リーグを通じて1位となる打率.338をマークした。さらに、長打率.531とサイズに似合わぬ長打力も兼ね備えている。特に二塁打が多く、キャリア6年で積み上げた204本は、イチロー(155本)よりペースが早い。この「小さな大プレーヤー」が、今大会の目玉となることは間違いない。

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