ア・リーグ決戦は、必勝リレーのインディアンスvs.猛打ブルージェイズ
【MLBポストシーズン2016】リーグチャンピオンシップシリーズ展望@ア・リーグ編
現地10月14日(日本時間10月15日)、ア・リーグのリーグチャンピオンシップシリーズが幕を開けます。駒を進めたのは、中地区1位のクリーブランド・インディアンスと、ワイルドカードから勝ち上がってきた東地区2位タイのトロント・ブルージェイズ。まずは、ともにディビジョンシリーズを3連勝でスウィープした両チームの戦いぶりを振り返ってみましょう。
ダルビッシュを葬り去ったエンカーナシオンのパワーは規格外だ インディアンスのディビジョンシリーズの対戦相手は、リーグ優勝大本命と言われていた東地区1位のボストン・レッドソックスでした。今シーズンのレッドソックスはメジャー屈指の攻撃力を誇り、チーム打率.282、878得点はともにア・リーグ1位。しかし、インディアンスはその強力打線を打率.214に抑え込み、3試合で一度も1イニング2点以上与えなかったのです。
今シリーズの最大の勝因は、強力なリリーフ投手陣の活躍ぶりでしょう。そのなかでも特筆すべきは、7月末にニューヨーク・ヤンキースから獲得したアンドリュー・ミラーのフル回転ぶりです。昨年ヤンキースでクローザーを務めたミラーは、7月の移籍後はユーリティリティ・リリーバーとしてブルペンに君臨。ユーリティリティ・リリーバーとは、中継ぎ、クローザー、そしてロングリリーフと、さまざまなシチュエーションで起用される貴重なピッチャーのことです。
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プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)