3000安打は通過点。イチローも伝説の「アンチエイジング選手」に (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そして、最後に紹介しなければならないのは、やはりデレク・ジーターでしょう。1995年からニューヨーク・ヤンキースひと筋で20年間プレーしたジーターは、2011年7月9日に当時37歳で3000安打を達成しました。成し遂げたのは本拠地ヤンキースタジアムで、なんとホームランでの樹立。5打数5安打で一気に3000安打の壁を突破したのが印象的でした。

 名門ヤンキースのキャプテンとしてメジャーリーグを牽引し、ワールドチャンピオンになること5回。ジーターはまさに、地位も名誉もすべて手に入れたメジャーリーガーです。いつ現役を引退しても殿堂入りは間違いないでしょう。しかし、彼もすぐにピンストライプのユニフォームを脱ぐことなく2014年までプレーを続け、歴代6位となる通算3465安打まで記録を伸ばしました。

 大ベテランとなっても現役を続けることが大変なFA時代において、モリターとジーターは特筆すべき存在だと思います。ぜひともイチロー選手には、彼らのように3000安打を達成したあとも変わることなく、年齢を感じさせない「アンチエイジングプレーヤー」として、今後もファンを楽しませてほしいです。彼自身も50歳までプレーしたいという希望を語っていますので、これからも応援したいと思います。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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