3000安打は通過点。イチローも伝説の「アンチエイジング選手」に (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 最終的に、ローズは45歳までプレー。自身の通算安打数を4256本まで伸ばしてユニフォームを脱ぎました。衰えを知らないとは、まさに彼のことを言うのでしょう。

 そしてメジャーリーグの歴史は、徐々にFA全盛時代へと突入します。1976年のFA制度導入によって高給取りが急増し、大記録を打ち立てたあとも現役でプレーする意欲を持続させる選手はほとんどいなくなってしまいました。3000安打を達成すれば、あとは引退してクーパーズタウンの殿堂入りを待つ、という傾向がより顕著になっていったのです。

 しかしそんな時代になっても、3000安打達成後も変わらずプレーを続ける「アンチエイジングプレーヤー」は存在しました。まずひとりは、FA制度導入から2年後の1978年にミルウォーキー・ブルワーズでデビューしたポール・モリターです。

 モリターの全盛期はケガに泣くシーズンが多く、欠場することも少なくありませんでした。しかし、トロント・ブルージェイズを経て、故郷ミネソタに本拠地を置くミネソタ・ツインズに移籍した1年目、当時40歳で3000安打を達成。史上初となる三塁打での大台到達でした(イチローがふたり目)。

 このとき、モリターはメジャーデビューから19年目。しかしながら、彼はユニフォームをすぐに脱ぐことなく、翌年以降も衰えを感じさせないプレーを見せてくれたのです。1997年は135試合に出場して164安打を放ち、1998年も126試合で141安打。その後もヒットを量産し続け、当時歴代8位の通算3319安打を残して42歳でバットを置きました。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る