前田健太のメジャー新人王を阻む「とんでもない2人の遊撃手」 (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 4月5日、開幕2戦目となるピッツバーグ・パイレーツ戦で、ディアスはついにメジャーデビューを掴み取りました。すると、デビューと同時にヒットを量産し始めたのです。52打数26安打で、打率.500。デビュー50打数以上の記録としては、1900年以降の近代野球において、史上最高の打率です。

 その結果、4月の成績は打率.423・4本塁打・13打点。規定打席にはわずかに届かなかったものの、驚異的な高打率を残しています。ルーキーで4月にヒット30本以上を打ったのは、プホルスに次いで球団史上2人目のこと。ストーリーの活躍に勝るとも劣らない内容だと思います。

 今のところは1番や2番を打っていますが、ディアスはパワーも兼ね備えているので、今後は主軸として起用されることも十分に考えられます。デビューは遅れましたが、まだ25歳。さらに飛躍しそうです。

 ストーリーとディアス。今年のナ・リーグからは恐ろしいルーキー遊撃手が出現してきました。彼らがブレイクしなければ、前田健太投手(ロサンゼルス・ドジャース)が月間最優秀新人賞に輝いてもおかしくなかったでしょう。ナ・リーグの新人王レースにおいて、前田投手のライバルであることは間違いありません。これから何度も顔を合わせることになるので、どんな対決になるのかも見ものです。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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