もう一度メジャーのマウンドへ。元巨人・村田透、渡米6年目の挑戦 (2ページ目)

  • 石原豊一●文 text by Ishihara Toyokazu
  • photo by Getty Images

 この春は、キャンプ打ち上げ後、開幕直前に行なうレンジャーズの本拠地・アーリントンでのオープン戦を含む7試合にベンチ入りしている。オープン戦の最後の試合で登板の指示は出たものの、結局、出番がくるまでにゲームセットとなってしまった。

 最後のオープン戦にまで帯同できたのだから、「メジャーも近い」という期待が高まるが、実際はそうではない。マイナーとはいえ、3Aチームもペナントを争う。開幕直前になると3Aのエース級投手は現地に入り、最終調整をする。つまり、メジャー最後のオープン戦に帯同するということは、3Aにおいても「柱」とはみなされていないことを意味する。実際、3Aの開幕戦も昨年と同じブルペンスタートとなった。前年の3A最多勝投手に対してもこの処遇というところに、アメリカで野球をすることの厳しさが表れている。

 4月7日から始まった村田の所属するコロンバス・クリッパーズの開幕シリーズは、3戦まで悪天候のため中止という異例の事態。4連戦の最終戦はダブルヘッダーとなり、村田に2試合目の先発の座が巡ってきた。

 しかし、これもメジャーから調整にきた投手のリハビリ登板のため先発マウンドは使われ、結局、村田は2回から投げることになった。結果は、1イニング3分の2を投げて、3安打、4失点で敗戦投手という厳しいものだった。コントロールが身上の村田にとって、2四球は、まずは目指すべき先発ローテーションの座も遠ざかるものであったと言わざるを得ない。

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