前田健太を欲しがっているメジャー球団、それぞれのチーム事情
広島東洋カープがポスティングシステムの申請書類をNPBに提出し、いよいよ前田健太投手のメジャーリーグ挑戦が本格化してきました。どのチームが積極的に交渉を行ない、契約合意へと結びつけることになるのか――。12月7日からはテネシー州ナッシュビルでメジャー関係者や代理人が一堂に会するウインターミーティングがスタートし、各球団ともに新たな戦力を補強すべく、連日交渉が行なわれました。
ポスティングシステムでメジャーに挑戦する前田健太 日々変化している先発投手市場の動き次第で、前田投手を獲得しようとするチームの本命は変わっていきます。日本のメディアはサンフランシスコ・ジャイアンツやロサンゼルス・ドジャースが本命と報じていましたが、たしかにナ・リーグ西地区の球団は前田投手にとっても良いチームではないでしょうか。
総合的に判断すると、ナ・リーグ西地区のチームはオススメだと思います。その理由として、ナ・リーグ西地区の本拠地は選手にとって温暖な気候のため環境に適応しやすく、特にピッチャーの場合には「投手有利な球場」が多いからです。ではまず、ジャイアンツとドジャースのチーム事情について紹介しましょう。
12月5日、ジャイアンツはシカゴ・ホワイトソックスからFAとなったジェフ・サマージャ(11勝13敗・防御率4.96)と5年総額9000万ドル(約110億8000万円)で契約合意しました。この補強により、エースはマディソン・バムガーナー(18勝9敗・防御率2.93)、2番手は新加入のサマージャ、3番手は34歳のジェイク・ピービー(8勝6敗・防御率3.58)、4番手はオールスター3度出場のマット・ケイン(2勝4敗・防御率5.79)、そして5番手は新人で活躍したクリス・ヘストン(12勝11敗・防御率3.95)という先発5人が揃いました。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)