石井一久氏に聞く。「マエケンはメジャーで成功できるのか?」 (2ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya   山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

――前田選手がメジャーで投げたとして、来年、日本人投手は他に、ダルビッシュ有、田中将大、岩隈久志、上原浩治、田沢純一の6人。NPB経験者はすべてが沢村賞投手という豪華な顔ぶれです。少し前までは、いろいろなタイプの投手がメジャーで投げていた印象がありました。違った角度から見れば、メジャーの目がシビアになっているのでは?

「日本人投手への評価がどうこうでなく、いろんな状況があると思います。やはり日本ではFAまでの時間が長く、それが挑戦を妨げてますから。いい選手でもアメリカに興味がない人もいるでしょうし。あとは、沢村賞投手となるような選手はメジャーからの評価も高く、次のステージへ進みたい気持ちが強くなってくるのでしょうし。その辺は気持ちとお金の問題とタイミングですよね。ただ、日本人野手に対してはシビアになっているとは思います」

――最近はメジャーから日本に戻るケースも「ふつう」になってきました。この春は、広島に復帰した黒田博樹選手の話題で持ちきりでした。

「(黒田は)日本に戻ってきてピッチングを少し変えましたよね。アメリカのボールはかなり動きますが、日本のボールはちょっと動きにくい部分があります。そこを頭に入れて投げていたと思います。日本でいうフォークとか、フォーシーム系で、ちょっと曲がるボールを多く投げていました。

 日本では被本塁打がメジャーの時と比較すれば、かなり少なくなりました。もともとはボールを動かして、ゴロを打たせるのがうまいピッチャーでしたが、これはメジャーと日本の選手のパワーがそのまま出たと思います。日本の打者のレベルが低いとかでなく、やっぱりメジャーは1番から9番まで打とうと思えば、どこでもホームランを打てますから。日本のバッターは打とうと思っても打てない人が多い」

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