MLB総括。岩隈久志のノーヒッターを生んだ「まさかのデータ」
2015年メジャーリーグ10大ニュース@後編
今年もメジャーリーグを舞台にさまざまなドラマが生まれました。下位チームの大躍進、30年ぶりの世界一、日本人選手の快挙......。新たな歴史を刻んだ2015年シーズンの思い出を振り返ります。
ノーヒットノーランを達成したマリナーズの岩隈久志【第5位】 ナ・リーグを彩った「3大エース」の競演
今シーズン、ナ・リーグでは3人のエースが素晴らしいピッチングを披露してくれました。ひとりはシカゴ・カブスのジェイク・アリエッタ、そしてロサンゼルス・ドジャースの「2枚看板」クレイトン・カーショウとザック・グレインキーです。
まず、アリエッタは両リーグ最多となる22勝(6敗)をマーク。しかも、8月4日以降は11勝0敗・防御率0.41という驚異的な数字を残しました。カブスを大躍進させた活躍が認められ、アリエッタは今年のサイ・ヤング賞を受賞しています。
また、ドジャースの2枚看板もアリエッタと遜色のない、素晴らしい成績でした。カーショウはメジャー最多の301奪三振をマークし、2002年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンとカート・シリングが記録して以来の大台突破を果たしています。一方、グレインキーはナ・リーグ1位の防御率1.66をマーク。この数字は、1995年にアトランタ・ブレーブスのグレッグ・マダックスが記録した防御率1.63以来の好成績です。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)