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ドジャースとカージナルスが抱える「不安なデータ」とは? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 また、2番手以降の先発陣も、絶好調のままポストシーズンに突入しました。ジマーマンはレギュラーシーズン最終戦のマイアミ・マーリンズ戦でノーヒット・ノーランを達成し、フィスターは最後の4試合すべてを白星で飾ってチーム1位(ナ・リーグ7位)の16勝をマーク。2012年に21勝(8敗)を挙げて最多勝に輝いたゴンザレスは今年も10勝して5年連続ふたケタ勝利となり、メジャー2年目のロークは昨年の7勝から15勝へと大きく飛躍しました。ナショナルズの先発5本柱には、まったく穴がありません。ひとつ負けても、次の試合で必ず取り返せるだけの駒が揃っているのです。

 さらにナショナルズは、打線にも明るいニュースが舞い込みました。9月20日、主砲のライアン・ジマーマンがケガから復帰したのです。毎年コンスタントに20本塁打前後を打つスラッガーが打席に立つことになれば、相手チームにとって大きな脅威となるでしょう。ジャイアンツがこのメンツに勝つのは、正直かなり厳しいと思います。

 一方、もうひとつのディビジョンシリーズは、セントルイス・カージナルス(90勝72敗)とロサンゼルス・ドジャース(94勝68敗)の対戦となりました。このカードは、最近6年間のポストシーズンで3度目の対決となります。前回の対戦は、昨年のリーグチャンピオンシップシリーズ。カージナルスが4勝2敗でドジャースを破り、ワールドシリーズに駒を進めました。

 今年の戦力を見てみると、両者の実力は非常に拮抗していると思います。ただ、今回は幾分、ドジャースのほうが有利ではないでしょうか。その理由として挙げたいのは、ドジャース自慢の先発投手陣が抜群に安定しているからです。

 ドジャースの1番手は、いまや球界のエースと称されるクレイトン・カーショウ(21勝3敗・防御率1.77)。投手3冠を逃したとはいえ、MLB史上初となる4年連続防御率メジャー全体1位を達成した実力は、想像を絶するぐらい抜きん出ています。さらに2番手には、2009年サイ・ヤング賞投手のザック・グレインキー(17勝8敗・防御率2.71)。リーグ屈指のエース級をふたりも抱えていることは、短期決戦でグッと有利に働くでしょう。

 少しだけ不安なのは、3番手を務める韓国出身の柳賢振(14勝7敗・防御率3.38)の存在です。彼はシーズン終盤になって左肩痛を発症し、残り試合の登板を回避しました。プレイオフに間に合うように調整しているとは言われていますが、どこまで本調子に戻っているかは微妙です。柳のピッチングの出来栄えが、ディビジョンシリーズの勝敗を左右するような気がします。

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