ヤンキース傘下・加藤豪将が胸に刻むイチローからの金言 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

 加藤も、低くしゃがみ、本塁にかぶさるように構える独特のフォームをしているので、このアドバイスにとても勇気づけられた。加藤がこのフォームにしている理由は、できるだけ本塁に近く、ストライクゾーンをより間近で感じたいからだ。ただ、まっすぐ立っているのでは、ボールがすごく遠くに感じるという。自分なりに考え、このフォームにたどり着いた。だから、イチローの『自分が信じたスタイルを貫き通せ』という助言は、加藤にとって極めて重大なことだったのだ。

「実は、私のスタイルでは、次のレベルに行けないのではないかと思っていたのです」と加藤は打ち明けた。

「もしかしたら、フォームを変えなければいけないのかと心配していたのです。でもイチローさんは、そのフォームで大丈夫だよと言ってくれました。『貫き通せ』『自信を持ってやれ』と。今の私にとって、この言葉が必要だったのです。今は、自分のスイングに自信を持てるようになりました」

 こうして得た自信は、初めてのフルシーズンを迎えるにあたって、非常に大きなことだった。昨年はショートシーズンのルーキーリーグで50試合に出場し、打率.310という成績を残した加藤。今年はサウス・カロライナ州チャールストン市にあるLAW Aのマイナー球団でプレイしている。イチローからもらった金言を胸に、加藤は独特の打撃フォームでメジャーの舞台を目指し戦っている。

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