ムネリンも参戦?今年のプレイオフは「日本人祭り」の予感! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 ただ、昨年世界一に輝いたレッドソックスも、宿敵ヤンキースに易々と地区優勝の座を明け渡したりはしないでしょう。開幕ダッシュは叶いませんでしたが、上原投手と田澤投手の日本人リリーフコンビは好調をキープしています。上原投手は開幕から8試合連続、一方の田澤投手も11試合連続で無失点を記録しました。昨年に引き続いて非常に安定したピッチングを見せているので、彼らふたりに委ねる展開になれば、自ずとプレイオフへの道も近づいてくることでしょう。

 そして、なんといっても東地区で期待してしまうのが、川﨑選手の所属するブルージェイズです。1977年創設の若い球団ですが、昔から新人ドミニカンの発掘に長けており、1992年と1993年にはラテンパワーで世界一に輝きました。今年もメジャー史上初めて先発9人のうち6人をドミニカ共和国出身選手で揃えるなど、なにかと注目されています。そんなラテンの雰囲気にとてもマッチしているのが、「ムネリン」こと川﨑選手です。

 今年も川﨑選手はメジャーとマイナーを行き来するポジションだと思いますが、彼のムードメーカーとしての資質はチームにとって必要不可欠だと思います。昨年、彼がグラウンドで活躍したときは、ブルージェイズも11連勝と勢いに乗りました。トロントの人気者である川﨑選手の活躍によって、ブルージェイズがプレイオフ枠に食い込むことを期待しています。

 2012年シーズンより、地区優勝を逃したチームのうち勝率上位2球団がワイルドカードゲーム(※)に出場できることになったので、勝ち星次第では東地区からヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズの3チームがプレイオフの舞台に立つ可能性もあります。東地区は日本人選手がひしめき合っているので、どんな戦いになるのか非常に楽しみです。

※ワイルドカードゲーム=ディビジョンシリーズ進出をかけて1試合で勝敗を決するポストシーズン試合のひとつ。

 またア・リーグ西地区も、複数の日本人選手が所属している注目の地区でしょう。テキサス・レンジャーズのエースとして君臨するダルビッシュ有投手、昨年シアトル・マリナーズで日本人最多の14勝をマークした岩隈久志投手、そして現在オークランド・アスレチックスへの昇格を目指してマイナーでプレイしている中島裕之選手。彼らも今年のプレイオフを大いに盛り上げてくれそうです。

 その中でも一番プレイオフの舞台に近い選手は、レンジャーズのダルビッシュ投手ではないでしょうか。開幕直後のレンジャーズは、戦力的にかなり厳しい状況でした。ダルビッシュ投手をはじめ、左のエース格のデレク・ホランド、4番バッターのエイドリアン・ベルトレ、正捕手のジオバニー・ソト、さらにスター候補生のジュリクソン・プロファーと、11名もの選手が故障者リストに入っていたのです。しかしそんな苦しい状況でも、開幕25試合を15勝10敗の貯金5で切り抜けました。これからケガ人が続々と復帰してくるので、高い確率でア・リーグ西地区を制するのではないでしょうか。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る