負けない田中将大に早くも飛び出した「サイ・ヤング賞」の声

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 メジャーデビューから4戦を終え、田中の成績は3勝0敗、防御率2.15。何より驚きは、29回1/3を投げ、奪三振35に対し四球は2個しか与えていないことだ。どんな状況であっても制球が乱れることはなく、常に投手有利のカウントで打者と対峙している。ゲームを支配できる安定感を関係者たちは絶賛しているのだ。

 試合後のヤンキースのクラブハウスでもそれは同じだった。指揮官であるジョー・ジラルディは今回も賛辞を送った。

「2本の本塁打を打たれた後、すぐに立ち直った。若い投手であるのに適応力の質が高い。彼が25歳であることを忘れてしまうよ」

 そして、主将のデレク・ジーターも同様だった。

「彼は状況に応じての投球ができる。そして、どんな状況に陥っても打者に自分のスイングをさせない。彼が投げている姿を後ろから見ているのは楽しい」

 投げるたびに評価を上げる田中に対し、ニューヨークのメディアたちはまるで恋人を見るかのように目をキラキラと輝かせている。そしてベテラン記者のピート・カルデラ氏はこう言い放った。

「田中はサイ・ヤング賞を獲るぞ!」

 カルデラ氏は過去にサイ・ヤング賞、MVP、新人王などの投票権を得ること10回以上。今季の投票権は8月以降に決定するが、彼のあまりにも早過ぎる評価に苦笑していると、カルデラ氏は真顔でこう言うのだった。

「田中は本物だ」

 メジャーデビューからまだ4戦。時期尚早であることは十分に理解しているが、田中将大は今、それだけの評価を得ているのだ。

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