2013.11.28

ポスティング問題「長期化」で一番の被害者は黒田博樹?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 ポスティングシステムの新制度案が白紙に戻ったことで、いまだ楽天・田中将大投手のメジャー移籍は宙を浮いた状態ですが、困っているのは田中投手だけではありません。今オフ、先発投手を真っ先に補強したいメジャーリーグの各球団も、どうなるか分からない状況に頭を悩ませています。

 現在、先発投手の補強を最優先課題としている球団は、約半数の15チームぐらい。もちろん、その多くの球団が田中投手を狙っています。その中でも本命は、ニューヨーク・ヤンキース。そして対抗馬は、ロサンゼルス・ドジャースと言われています。

田中将大の2014年は、どんなシーズンになるのだろうか? ヤンキースは昨年11勝を挙げた黒田博樹投手と、将来のエース候補と呼ばれていた27歳のフィル・ヒューズがFAで抜け、さらにベテランのアンディ・ペティットが引退しました。つまり、2013年シーズンを戦った先発5人のうち、3人がいなくなったのです。来シーズンもヤンキースの一員としてプレイすることが確定しているのは、CC・サバシアとイバン・ノバだけ。非常に心もとない布陣なのです。しかも、現在のヤンキースは攻守ともに高齢化が問題となっており、若い選手の補強は急務。現在25歳の田中投手は、ノドから手が出るほど欲しい逸材でしょう。

 一方、ドジャースは新オーナー体制になったことで、潤沢な資金にモノをいわせて大型補強を敢行しました。昨年オフはポスティングを利用して韓国球界で「怪物」と称された柳賢振を約2574万ドル(約20億3400万円)で落札し、その後、6年総額3600万ドル(約29億7000万円)で契約。さらに、キューバから亡命してきたヤシエル・プイグも7年総額4200万ドル(約41億1000万円)で獲得するなど、海外への投資を積極的に行ないました。その結果、彼ら外国人選手の活躍により(柳=14勝8敗・防御率3.00、プイグ=打率.319・19本塁打・42打点)、ドジャースは地区優勝を果たしたのです。来シーズンもその流れをさらに加速させるため、ドジャースは田中投手獲得に照準を絞っています。