2013.09.18

ダルビッシュ有も、上原浩治も……振り返れば「NOMO」がいる!

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by AP/AFLO

 1995年、メジャー1年目の野茂英雄(ドジャース)はシーズン通算236個の三振を積み重ねた。これがこれまで日本人メジャー投手のシーズン最多奪三振記録だったが、2013年9月4日(現地時間)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)によって18年ぶりに更新された。また、9月11日には上原浩治(レッドソックス)がレイズ戦で登板し、3人の打者を危なげなく料理。その結果、34人の打者を連続で凡退させたこととなり、野茂が2001年にマークした31打者連続凡退の記録を更新。さらに9月14日のレンジャーズ対アスレチックスの試合で、ダルビッシュが10個の三振を奪い、シーズン12度目の2ケタ奪三振を達成。野茂が1995年に残した2ケタ奪三振11試合の記録を破った。

1995年5月2日(現地時間)のジャイアンツ戦でメジャー初登板を果たした野茂英雄

 今シーズンのめざましい日本人投手の活躍で、野茂の記録が次々と破られている。野茂の足跡が消えていくことに一抹の寂しさを感じるが、同時に日本人投手のレベルの高さをあらためて証明することとなり、それはそれで大変喜ばしいことである。

 2001年4月11日、オークランドの球場からは大きなブーイングと「カワサキ!」「イスズ!」「ホンダ!」「コンニチワ!」などのヤジが飛んでいた。打席には、初の日本人メジャー野手としてマリナーズと契約したイチローが立っていた。

 当時、サンフランシスコで暮らす田中さん(女性)は、イチローの姿を嬉しそうに眺めながらも、こう心配そうに語った。

「村上雅則さんがジャイアンツで投げた時も応援に行きました。あの時は球場に行くのは日系人くらいで、今は若い日本人の方たちの熱狂ぶりがすごいですね。でも、野茂さんの時もですけど、日の丸の旗を振ったり、あまり周りを刺激しない方がいいと思いました。アメリカでの生活が長いと社会的なことが気になってきますからね」

 野茂のメジャー1年目、大きな日の丸を振る日本人の姿が多かったと記憶している。今、普通に日本人選手を応援している光景を見ると、あれから18年も経ったのだなと隔世の感がある。