【MLB】ナ・リーグの「大穴」は20年連続負け越し中のパイレーツだ!
パイレーツ投手陣を牽引するのは、昨年16勝を挙げたエースのA.J.バーネットだ【2013年メジャーリーグ「台風の目」~ナ・リーグ編~】
2010年サンフランシスコ・ジャイアンツ、2011年セントルイス・カージナルス、そして2012年再びジャイアンツと、3年続けてナ・リーグのチームがワールドチャンピオンに輝きました。2013年も、ナ・リーグから世界一のチームが生まれるのでしょうか。そこで今回は、今年も目の離せないナ・リーグで、「台風の目」となりそうなチームを取り上げたいと思います。
まず、ナ・リーグ東地区において、優勝候補ナンバー1と言われているのはワシントン・ナショナルズです。粒ぞろいの先発陣はメジャー屈指で、今年も昨年(98勝64敗)と変わらぬ強さを発揮することでしょう。そんなナショナルズの対抗馬として、今年はフィラデルフィア・フィリーズの巻き返しに期待しています。
昨年フィリーズは、メジャー全体でニューヨーク・ヤンキースに次ぐ『10年連続・勝率5割』を達成しました。しかし、5割と言っても81勝81敗のイーブンで、首位のナショナルズから17ゲーム差も離されての3位。優勝戦線から早々に離脱し、プレイオフ進出も6年ぶりに逃しました。
最大の敗因となったのは、主力選手の相次ぐケガです。本塁打王に2度、打点王に3度、そして2006年にはナ・リーグMVPにも輝いたライアン・ハワード(打率.219・14本塁打・56打点)の復帰の遅れが、チームに大きく影響を及ぼしました。しかし今年は、ハワードや、2008年の世界一に輝いたときの3番チェイス・アトリー(打率.256・11本塁打・45打点)が、復活の兆しを見せているのです。特に、過去2年ずっとケガを抱えていたアトリーが、実に3年ぶりとなるオープン戦に出場。さらに開幕戦のアトランタ・ブレーブス戦では、いきなり通算200号となる今季第1号ホームランを放ちました。しかも、あと二塁打が出ればサイクルヒットという大爆発ぶり。非常に楽しみな滑り出しを見せているのです。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)