2013.02.13

【MLB】これがウワサの「全米ナンバー1ルーキー」だ!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

栄えある「若手有望株ナンバー1」に選ばれたのは、まるで少年のようなこの選手? いよいよメジャーリーグもキャンプインとなりました。この時期、アメリカで最も話題となっているのは、「今年のルーキー」です。ここで言うルーキーとは入団1年目の選手というわけではなく、今年メジャーでブレイクしそうな新鋭のことを指しています。野球関係者の間では、「今年一番高く評価されているのは誰だ?」という会話が飛び交い、アメリカ随一の野球専門誌『ベースボールアメリカ』から毎年出版される『プロスペクト(将来有望な選手)・ハンドブック』が先日発売されると、ツイッター上で「ついに発売された!」と話題騒然になりました。

『プロスペクト・ハンドブック』というのは、1チームにつき30人のルーキーを選出してランキングし、それを全30球団・総勢900名を網羅した野球ファン必見の本です。また、MLBの公式ホームページ『MLB.com』も、今年のトッププロスペクト100人をランキング形式で発表しました。そこで今回は、MLBが発表したトッププロスペクト100人をもとに、上位5位を紹介しようと思います。

5位 タヤン・ウォーカー(20歳)
   [シアトル・マリナーズ/投手/右投げ・右打ち]

 まず5位は、シアトル・マリナーズに所属するタヤン・ウォーカーという20歳の右投手です。彼はカリフォルニア州の高校時代にバスケットボール選手として活躍し、ダンクシュートを得意としたことから「スカイウォーカー」という愛称で呼ばれていました。野球も並行してプレイしていたのですが、当時のポジションはショート。しかし、高校3年生のときにピッチャーに転向すると、わずか1年ほどでマリナーズのドラフト準1巡目に指名されたのです。

 ウォーカーの身体能力は若手の中でもずば抜けており、2010年の入団当初から「将来性ナンバー1」と言われています。また、195センチの長身から投げ降ろす160キロ近いストレートを持ちつつ、プロ入りしてから初めて投げたカーブも非常に素晴らしく、野球センスは抜群。ピッチャーとしての経験が浅いので開幕はマイナースタートだと思いますが、今シーズン中には先発ローテーション入りする勢いです。将来はエースのフェリックス・ヘルナンデスに次ぐ、チームの柱になると期待されています。

4位 ウィル・マイヤーズ(22歳)
   [タンパベイ・レイズ/外野手/右投げ・右打ち]

 4位にランクインしたのは、2009年にカンザスシティ・ロイヤルズにドラフト3巡目指名されたウィル・マイヤーズという選手です。高校時代から名が知られていたマイヤーズは、ドラフト前、1巡目クラスの評価を受けていました。しかし、代理人が契約金200万ドル(約1億9000万円)を要求したため、他球団が避けて3巡目指名になったそうです。

 プロ入り当初、マイヤーズのポジションはキャッチャーでした。しかし2011年、打力を買われて外野にコンバートされます。その年はひざのケガで不本意なシーズンでしたが、2012年はマイナー全体で2番目に多い37本塁打をマーク。さらに打率.314・109打点と好成績を残し、『ベースボールアメリカ』誌が選出する『最優秀マイナー選手』に輝きました。前年度にこのMVPを受賞したのは、昨シーズン、大ブレイクを果たしたロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウトです。いかにその価値が高いものか分かるでしょう。まさにマイヤーズは、メジャーきっての「スター候補生」なのです。

 しかし昨年12月、マイヤーズはロイヤルズの若手3名と一緒に、タンパベイ・レイズにトレードされます。対するレイズが放出したのは、エース級のジェームズ・シールズを含む主力2名。おそらくレイズは、マイヤーズが6年連続ふたケタ勝利のシールズとのトレードに値する選手と判断したのだと思います。

 アベレージとパワーを兼ね備えたマイヤーズのバッティングは、「すぐにメジャーでも中軸打者として活躍できる」と評価されています。今シーズンのメジャーデビューは間違いなく、もしかすると開幕からレギュラーを務めるかもしれません。なぜならば、センターのB.J.アップトンがアトランタ・ブレーブスに移籍したため、打力の弱いレイズとしてはマイヤーズのパワーを必要としているからです。将来的には、同じキャッチャー出身から外野にコンバートされて、1982年から2年連続MVPに輝いたデール・マーフィー(元ブレーブス)、もしくはミルウォーキー・ブルワーズの主砲ライアン・ブラウンのように、毎年30本塁打ぐらい打てるスラッガーになってほしいと期待されています。