【MLB】藤川球児がカブス入団を決めた最大の理由

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • アフロ●写真 photo by AFLO

シカゴ・カブスと2年契約を結んだ藤川球児シカゴ・カブスと2年契約を結んだ藤川球児「火の玉ストッパー」――藤川球児が総額950万ドル(約7億6000万円)でシカゴ・カブスと2年契約を結んだ。現地12月7日に行なわれたリグレー・フィールドでの入団会見では、リグレー・フィールドと甲子園球場を重ね合わせ、ユニフォームに袖を通せば、「やっぱり縦ジマなんだな」と、古巣・阪神タイガースへの愛着を表現した。だが、彼がカブスを選んだ一番の理由は他にある。

 藤川のもとには、エンゼルス、ドジャースのロサンゼルスに本拠地を置く2チームに加え、アリゾナ・ダイヤモンドバックスも獲得の意思を示すなど、激しい争奪戦が繰り広げられていた。藤川が西海岸のチームを希望しているという話が広がり、この3チームが有力視され、ヤフー・スポーツ米国版では「エンゼルスがフロント・ランナー。合意は間近」と報道されたほどだった。

 ところが、そうした報道をひっくり返し、藤川はアメリカ中西部最大の都市・シカゴに本拠地を置くカブスを選んだのだ。その大きな理由が「クローザー」だった。

 カブスには今季も20セーブを挙げ、通算115セーブのクローザー、カルロス・マーモルがいる。しかし、今季マーモルは55回1/3で72三振を奪ったが、与四球45と制球に苦しみ、マイナー降格も味わった。

 また、オフにはエンゼルスのダン・ヘイレンとのトレードが合意に達しながらも、ヘイレンに故障が見つかり破談となった経緯がある。カブス首脳がクローザーとしてのマーモルに疑問符を投げかけているのは容易に想像がつく。だが、カブスも無条件で藤川にクローザーのポジションを与えるわけではない。

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